腐印注意

腐印の 映画 アニメ BL 雑記。おもにネタバレありです。

「わたしを離さないで」

うーん、まだ終わっていないのでアレなんですけど、うーん、という感じです。いや、できが悪い、とまではいえない内容なんだけど、なんだろうなぁ……。やっぱり、原作を読んでしまった後だと、こう、日本を舞台にしてしまっているがためのこまかい辻妻合わせの変更の部分とかが、いちいちひっかかるというか、センスないのぅ……と思わされます。のぞみが崎って、とか、梶原善のやりすぎ感とか(笑)
物語の変え方も、なんでそういう風に変えちゃうの? というのがけっこうある。そのせいで感動のポイントがちょっとずつブレるというか……あのCDをくれるときのくだりとかも、個人的には「……えー……」って感じだったんだよな。
雰囲気出そうとしているのはわかるんだが、舞台仕立てもすこし大袈裟じゃないのかな、という気がしたり……どうしても、説明したくなってしまうんだろうけど、いや、普段の邦ドラマにくらべたらそれでも我慢しているのかもしれないが、でもまだ過剰なんだよな、と思いました。原作がサ、もう読んでいて「え?」となるくらい説明をしない話なので、付け足したくなってしまうのかもしれないけど、あえて、設定や背景を説明しないところがあの独特な感じを出してるのかな、と思うと、やっぱ、映画のほうが原作の空気はうまく掴んでいる、という気がしました。まあ、だいぶはしょっているので、一見の人は「は?」となる気もしますけど、本当に大事なポイントは逃さないようにしていると思います。オチ、原作とちがうんだけどさ、でも、あのオチは映画としてはよくできていた、と思うので、あれはアリです。個人の力ではどうにもならないような、無慈悲な状況みたいなのがさ、すごい短い時間で表現されてるのよね。あの、事務的なせわしない様子に、登場人物の静かな笑顔が重なる感じが、なんともいえない後味。あのシーンがあるので、もう映画はオーケー(合い間、ちょっと退屈したりもしたが)な私ですが、ドラマは……なんか、見るべきところがない。
綾瀬はるかが演じる主人公がいい子すぎるのも気になるし、そのあおりか、水川あさみが演じるキャラが不必要に子供っぽくなっているのも気になるし、三浦春馬……はべつにどうでもいい(笑)
なんだろな、もっと三人三様で、みんなそれぞれ個性があって、誰がわるいわけでもないんだけど物事がこじれていく有様というか、愛はたしかに大事なんだけど、恋愛とか、仲間意識とか、連帯感とか、同じ立場に置かれたもの同士の同情と嫌悪とか、そういうこころの動きみたいなのが、みんな同じくらいの重さで書かれている原作とくらべると、ドラマは恋愛にかたよっている感じがするし、どうしても、日本的なベターっとした感じがね……。うーん、とにかく全体に子供っぽい印象です。
まわりの普通の人たちも、なんかわかりやすすぎるんだよな(笑)
登場人物の人生を描きながら、でも、そのもっと奥にある状況、とか、人間て、みたいなところに意識が向くように、原作はなっているんですけどねー。

原作での肝になるシーンも、やっぱり説明しちゃったよ。それは、言わなくていいんだよ、見ているこっちが「えーーー……」と思えばいいことなんだよ、とまあまあのがっくり感。

……って言っている間に最終回も放送されました。
……。
……。
……人生のプレイバック、多すぎね?

ま、いいや。

あと、子役はね、圧倒的に映画のほうが自然でうまく描けていました。ドラマのあの学園時代、なんか陳腐だったよなぁ……。