「新海誠」
の「言の葉の庭」を地上波で放送したので観賞。
……えーと、新海誠、私一応「雲のむこう、約束の場所」と「秒速5センチメートル」は見ているんですよ。で、「ダメだ。合わない」とそれっきりになってたんですが、「君の名は。」。
「君の名は。」は見ていないんですけど、曲がサ! RADWIMPSじゃん! やべぇ、絶対曲はイイに決まってる! と思っていたら、案の定「なんでもないや」にガツンとくらって、しばらくそればっかり、そればっかり聴いていたので、この曲が生み出される一翼を担った新海監督ありがとう、の意味を込めて「言の葉の庭」を見てみました。今回は、ちゃんと見ました。
というのも、「秒速5センチメートル」はあまりに退屈で倍速で見てしまったので、今回は! ちゃんと通常倍速で見ましたよ。宣伝もはいらなかったので、まあまあ集中して見たんだが……うーん……。
うーん……。
まあ、いままでのなかでは一番、退屈しなかったんだが、それだけっちゃ、それだけなんだよなぁ……。毒にも薬にもならないハナシなので、見終わったあとになんの印象も残らない。なのに全体にちょっと重いというか……地味?(笑) 丁寧に作ってあるんだけど、それだけ……。オチとか、「え?! それで終わり?!」となりました、はい。なんつの、出てくる人たちがふつう、といえば聞こえはいいけど、薄い……不倫、学級崩壊、不登校(教師の)ときたら、もっとひやっとさせられるシーンがあってもよさそうなんだけど、すべてがもやぁ、っとしていて、絵空事な感じなんですよ。遠いんですよ(笑)
新海監督……きっと、いいひとなんだろうな。ナマナマしいこととか、苦手なのかな。まあ、そういう世界に癒されたい人もいるだろうと思うので、それはそれでいいんでしょう。
特筆すべきはあの超絶リアルな背景なんだろうけど、うん、たしかに美しいし、すごい技術なんだろうけど、それが、全然響かないんだよなぁ〜私。だって、そっくりな絵なら、本物を見ればいいわけですよ。私はいま、日本にいて、作品のなかにあった美しい風景は、実際に見ることができるわけで、それはそのほうが臨場感もあるしさ。。。
あまりにもリアルに描かれると「実写じゃダメなの?」となるんですが(笑) アニメとかマンガの良さって、実写じゃ情報量が多すぎてノイズがあるところを、シンプルにして、大事なところだけを際立たせて見せてくれるところなんじゃないのかなぁ……、と思うと、こう、やかましすぎるんです。
「ハイジ」とかさ、いま見ると、本当、線もシンプル(笑)だし、色数も少ないし、もはや、紙芝居って感じなんだけど、それでも、あれに出てくるチーズののったパンとかよだれがでるほどおいしそうじゃないですか。雲とか、本当に乗ることができるように見えるじゃないですか。ここが肝だ、というところをおさえてあったら、線も動きもシンプルでいいんじゃん? だって、それが描いていない部分は私の脳みそが補完してくれますから、っていうか、目の前で動いている映像が、私の中からそれにつながる記憶みたいなのをひっぱりだしてくるのが快感、なんですが。。。
私、超!宮崎駿の作品が好きなんですが、「風立ちぬ」とか見ててもさ、あの定規を使うシーンとか、といに乗った紙飛行機を指先で探るシーンとか、まるで自分がさわっているみたいに、手触りを感じる。影が躍る外の暗闇とかを見ると、ひんやりした夜の匂いが鼻の奥に流れてくる気がする。。。そういう瞬間があるから作品のなかにはいれるんだが、なんか、新海作品のリアルさって、逆に作品の世界に撥ねつけられている感じがするんですが、それはなんなんだろうな、っていう。。。
いちいちそんなに美しく描かれると、私は作品の中に“いる”んじゃなくて、“外から眺めている”んだな、となり、逐一我に返らせられるので、こう、気分はぶつ切りです。そして、背景にあんなにこだわるのに、人物の表情とかは雑っていう……_| ̄|○。
まあ、私はディズニーのフルCGとかも疲れちゃうほうなんで、脳味噌の造りが古くできているのかもしれないです、はい。
もし、新海監督の描く風景に惹かれることがあるとすれば、逆に、すでに失われてしまった昔の風景とか、それとも、一度も見たことのないどこかの惑星とか、そんなものを書いてくれたら、それを見るだけでも価値がある、とは、なるかも。
「君の名は」は……地上波でやったら見ます(笑)