腐印注意

腐印の 映画 アニメ BL 雑記。おもにネタバレありです。

「コードギアス 亡国のアキト」

ギアスはね……易々とは扱いずらい作品なんですよ……。
ヲタな私はそこそこ時流にのって、こう、いくつかの作品で踊らされてまいったのですが、そのなかでもまだ記憶に新しいほうなんです。見ているあいだ、ほんとー楽しませてもらったんだが、結末がな_| ̄|○。
あの結末が、いまだに私のなかでもやもやしているので、たまに、見ようかな、と思う時もあるんだけど、ヘコむのがいやで一度も見返せていないこの作品。。。

でもさ、新作は見たいジャン。コミックスとかの関連作品にはそれほど興味は湧かないんだけど、アニメでがっつりスピンオフ的なヤツとなったら、そりゃ「見ねばなるまい」となるジャン。ほら、主人公、ちがうから? 同じ世界観なだけで、違う作品だから!?
……そして、監督も私大好き赤根和樹だったんで、そこそこ期待して、第1章なんか、ちゃんと劇場に見に行ったんですから。暑いのに。自転車漕いで。

や、第1章は楽しかったですよ?
「時間短いかな」とは思ったけど、本家よりもおさえたトーンでわりにシリアス、ほら、バットマンでいうところのダークナイト的な?(笑) マンガ的(いい意味で)なギアスの世界にこう、リアルな戦争の匂いを持ちこむのかな、兵隊が主人公だもんな、と解釈。ナイトメアの戦闘シーンも熱が入っててかっこよかったし、そこそこ満足して帰ってきました。いささかひっかかるとしたら、謎がそこここに散りばめられているっていう……まあ、第1章ですから、ヒキが大切、というのもわかります。ただ、本家も相当に謎が散りばめられていて、次週予告をみながら悶絶、そして見終わった後にも謎は深まるばかり……というのでもう、疲れていたので、OVAでまでそれをしなくていいよ、待っているあいだシンドイよ、という……はしゃぎ疲れね。が、まあ、アキトは好きになれそうな主人公だったので、テンションおさえめで、つづきを待ちました。

で、2章は見に行けず、たまたま地上波で流してくれたのを見て、「…………ん? なんか、話が面倒臭くなってきたな……。てか、ほんとにあと2回(この頃は全4作だと聞いていた)で終われるの?」と不安な感じになり、しかもさ……カンケイないよネーと思っていた彼らが出てきた……。
ジュリアス・キングスレイって_| ̄|○。
いやこれ絶対他人の空似じゃないですよね、「仮面の男」みたいに地下の牢獄で育てられていた双子の片割れとかじゃないですよねって、本人でしたよええ。かるく洗脳されてましたよええ。本家R2を見たときだって、「洗脳って……」と若干苦笑いの私でしたが、本家はいいんだよ、つっこめるし笑えるから。でもさ、スピンオフでそれやられると、というか、いや、サービス精神なんだとしても、そんな本筋にがっつり絡むような出し方して、大丈夫なの? という、またしても、不安……複雑な不安ですよ、こっちは幽霊を見ている気分ですよ。
でも、まあ、まだよかった。ラスボス(のハズ)のシンにあんま興味がもてねぇ、とか、ブリタニアとユーロブリタニアの違いがよくわからねぇ、とか、そのへんはスルー。作画は美麗だし、アキトの身体能力は素晴らしいし、うん、主人公がかっこよくあってくれればそれでいい、と、2章までは、なんとかついていけていた。
そこから、だ〜いぶ時が経ち、「あれ、そういえばアキトって、完結したんだよね、じゃあ、見ないとな。もう、細かい設定うろ覚えの助ですが。。。」と時期をはかっていて、このたび、ふいに思いついて3章から見始めたのです、が、えーーーと……。


なんだろう、このほのぼのとした展開……バリバリに闘っていたはずの人たちが、アホの仕返しで一か月放置状態……。え? そんななの? ここの軍隊、そんなに杜撰? それじゃ任務中に逃亡を図っても、追っ手もかからなそうだよね……って、ロマの人たちと生活しだしました_| ̄|○。
「もしかしてこのバァさん……スパイ?」
と、急に寝込みを襲ってきたりするのか疑っていたんだけど、なんのことはない、ただのバァさん達でした。
……いるだろうか? このエピソード……。
いや、まあ、ね、このへんでちょっと息抜きをいれておかないと、このあとの悲惨な展開に耐えられんとか、そんな感じのフラグなのかもね、うん、それなら城でお茶会でも開いていりゃいーじゃねーかと思わなくもなかったが、ね、あのダサィ格好含め、それは、いい、またしてもスルー、とゆるく眺めていましたが、その後も「え? は? あれ?」と、見れば見るほど「?」が積み重なっていきます。。。

もうさ、3章ともなれば折り返し地点なわけですよ。そろそろ、いくつかの伏線はかたづける方向に向かってくれてもいいはずなのに、新しい人、新しい謎って、解決されるどころか謎が上塗りされていく。。。時空の管理者って、なんやねん、誰やねん。本家でも解明されていないギアスの仕組みに新しいルールを加えてくるとか、辻妻合わせる自信はあるのか? ダイジョウブか?
……ダイジョウブじゃありませんでした_| ̄|○

そして、4章とか見終わる頃には、案の定、カオス(笑) 本家みたいな笑えるカオスじゃないんだよ、本当の混沌だよ(笑)
こっちは一生懸命、頭の中のギアスの設定を引っ張り出してきながら、必死に予測をたてて不足を補填しながら見ているんだが、それがちょいちょい肩すかしをくらうというか、「これはあとで明かされる伏線なのかも」と保留にしていた事柄も、残り一章となったら、こりゃ回収されないな、というあきらめがはいってくる始末。

……疲れる……。

とくに、アレね、友情出演のわりに、合間合間にがっつり絡ませてくるJK(ジュリアス・キングスレイ)ね……。

気が散る_| ̄|○

頼むから、アキトの話はアキトの話で集中させてくれ。集中していてさえ、うまく理解できていないんです。アキトの一族って、なに? ただのイレブンの家族じゃねーの? あの骸骨、なに? シンの夢? 心象風景? とか、少ない脳みそのリソースを持っていかれているときに、要所でJKに「水〜水〜」って騒がれたら、ナニがなんだかわからなくなってくるんです。その“水”っていうのは、あれですか、イリーガルなクスリでもはいっているのですか、って、いや、獄中で普通の水によろこんでたし_| ̄|○。
それならもったいぶらないで、水くらいいつでも飲ませてあげてくださいよスザクさん。。。ていうかもう、ルルに水筒を下げさせてたらいいよ!
首を絞めてみたり、仲睦まじく体育座りしてたり、ふたりのあいだに何が起こっているのか監督、もーちっとわかりやすく教えてください。一生懸命アキトが戦ったり小枝を集めたりおにいちゃんに切りつけられたりしているその裏で、あのふたりにどんなドラマが展開していたんでしょうか。それだけで1章かけられる感じでしょうか。そもそもあのふたり、この戦に関わる必要はあったのかすぃら? てか、詰めは甘いけど奇策に長けているのがルルの持ち味だったのに、今回、ただの頭のわるい人にみえるんです。素性もすぐにバレてます。スザクは、ルルを守る気があるんだかないんだかわかりません。自分はナイトメアで戦って、ルルはシンの前に放りっぱなしって意味わからん……殺されてもいいのか?(……いいのかもな)。

やもう、100歩譲って、スビンオフなんて所詮本家の2次創作みたいなものなんだ、いうなれば動く同人誌だ、ルルの壊れっぷりやなんちゃってゼロっぷりに衝撃を受けるのは、R1とR2のあいだの物語、という正史扱いを真に受けるからだよね、基本、監督が違ったらべつの作品、「エイリアン」だって、続編は「エイリアン2」じゃなくて「プロメテウス」、「ターミーネーター」だって「2」と「3」はべつの作品、べつの並行世界だから!
ダイジョウブ私、そこは割り切っていこう、と決めましたが、5章の結末には割り切れぬものを感じました……。

シン……何がしたかったのか、本当、わからん……。すごい悲しい過去みたいな扱いになっているけど、なんのことはない、母ちゃんの不倫がゆるせん、て、そんな理由で一族みな殺し。愛しているから、穢れてほしくないから殺す、って、アンタ、キライな人間も殺しているのですけど、その辺の線引きはどうなっているのですか? アキトを殺したいのか、仲間にしたいのか、ただ苛めたいのかどれなの、会うたびに気が変わってて見ているこっちも困る、そして、仲間にまでオカシイ人扱いされている。。。とほほです。
結局お仲間に裏切られて死んでいるの。なんかさ、最後だけいいひとっぽく演出されていたんだが、全然感動できなかった。。。ジャンをそんなに好きだったようにもみえなかったのに、オチだけ純愛っぽくされてもなぁ。。。

最後はつまり、愛は世界を救うヨ、みたいになってるんです。仲間さえいればしあわせ〜v みたいになっちゃってるんです。ほかのイレブンの扱われ方とか、世界の行方とか、もうどうでもいいんですね。いつか日本に行きたいナ〜とかも、ただ言ってみただけか? レイラのギアスがどんな能力だったのかもわからないまま。。。
つか、時空の管理者に好かれれば、死んだ人も生き還る? 時間の巻き戻し、テレポーテーション、なんでもあり? ギアスのルールに縛られた本家でのルルーシュ七転八倒ぶりを、かわいそうだとは思わないの?(笑) 涙なくしては見られないんだけど(笑)
いや、真面目な話、この物語にギアスって必要だったか? 
ルルにギアスが必要なのは、圧倒的に大きいものに対して戦いを挑んでいるからで、背負っている業があるから、ギアスなんていう都合のいい超能力を手にしていてもバランスがとれている。。。一筋縄ではいかないルールがあってこそ、こっちも手に汗を握って展開を追えるのだけど、今回みたいなギアスの使い方をされたらさ、それこそただの魔法だよね。真面目に見る気が失せるよね。。。
おもしろいところもあるし、アキトだって魅力のあるキャラなのに、もったいないよなぁ……。もうさ、ギアスの要素をごっそり削ってしまった方がよかったんじゃないの? と思いました。
その分きちんと時間をかけてキャラの心情とかを追ってくれたら、そんなわるい話じゃなかったもしれないのになぁ……邪魔なんだよな、ギアスが。
ルルとスザクも、出すなら出すでもっとこう……ちゃんと描いてくれたら本家とは違う解釈が見れて新鮮だったかもしれないのに。。。いろいろ盛り込みすぎ。。。

まあ、コードギアスの名前があったからこそ、時間もお金もかけられて、そうなったらいろんなところに目配りしなきゃいけなくて、という事情とかもあるのでしょうが。。。とりあえず、5作ちゃんと完結した、美しい作画と美しい戦闘シーンが見れた、ということを喜んでおくべきなのかもしれないですけど、ね……うん……。
オチのジョブチェンジも、本筋と思うとぽかんなので、特典についてるピクドラくらいに思っておけばいいんだよね、うん。ある種のサービスなんですかね。。。

しかし同じ戦争ものとしてくらべると、「オルフェンズ」とかの死にっぷりにくらべて、「アキト」の死ななさ加減、すごいよね。ユキヤ、リョウ、アヤノのだれかは死ぬかと思ってたが、仲間うちは全員生き残っている。そればかりか、目を覚ましたやつまでいる(笑)
009 RE:CYBORG」みたいに、じつは全員死んでました、とかじゃないよね(笑) それくらいの楽園オチでした。

ということで、とりあえず感想を終わります。

文句ばっかいってるみたいだけど、私、赤根監督の作品は好きなんですよ、ほんと。



※ アキトがあまりに消化不良だったのでネットで解説とか検索していたら、「コードギアスの新作がつくられるヨ」というニュースを見て
!щ(゚Д゚щ)
となりました。。。


ま じ か ぁ 。 。 。


とりあえず、総集編が3作、作られるらしいです。
こりゃ、いよいよR1とR2見返しておかないとダメかな。。。