腐印注意

腐印の 映画 アニメ BL 雑記。おもにネタバレありです。

「風立ちぬ」

は、映画をみたとき一度感想を書いているんですが、このたびテレビで放送されたのを見て、またちょっと書いてみたくなり……といっても、大筋の感想は変わってないんですよ。ただ、そうね、すでに展開はわかっているので、そのぶん、落ち着いて見られた、というのはありますね。自分でいれたコーヒーとか片手にのんびり見ていると、いや、ふつうにいい映画じゃん、そんなにわかりにくくないじゃん、と。
戦争とか地震とかはやっぱりあくまで背景で、飛行機を作りたいひとりの男の人の話だよなぁと。そうわりきってみてみると、うん、ちゃんとわかりやすいお話でした。とにかく、飛行機を作っているところが楽しそうですよ。ずっとそれだけやっていてくれてもよかったのに、恋愛の話になるとさ、途端に失速するのが(笑) 「ダメだ、見ていて恥ずかしい」とやっぱりなった……向いてない、宮崎駿にオトナの恋愛は向いてない、となりました、ハイ。「ハウル」はおもしろかったケドなぁ……誰かが手伝ってくれたのかなぁ(笑)

オチの唐突な感じは「え」とちょっとなるんですが、いさぎいいっちゃいさぎいいのかも……とにかく、宮崎作品は、まわりのオジさん達がイイですよね。職場の上司がこんなに話のわかる人たちだったらどんなにか、と思わされるよ、ほんと。主人公もさ、飛行機作りの天才であるとかはおいておいて、普通に、親切な人だっていうのが、いいよな、と思います。「牛好き」とかゆって、ちょっと笑わせてくれるしな。

まあね、イジワルな見方をすれば、結局主人公、飛行機を作る以外のことはなにもしないのな、という言い方もできますが。。。まわりがみんなモノのわかった人たちなのでそれですんでいるけど、ふつうは、物事こういう風に運ばないよ、きれいなところだけをみせてくれる恋人なんて存在しないよ、と思いますが、うん、でもまあ、いいじゃないですか。このひとにとっては、飛行機も人生も美しく儚い夢なんでしょう、きっと。

私の中では、宮崎駿の描くキャラはもはや刷り込まれた萌えなので、動いているのをみているだけで満足、とまたしてもなりました。このさい、声も気にしない(笑) ずーーーっと見てたい。
あーあ、もう新しい作品が見られないのかと思うと残念です。たとえば、絵柄はさ、そりゃ上手い人が真似して描くことはできるのかもしれないが、でもね、やっぱりちがうんだよねー、きっと、動きがこみなんだよねー。
片手でものさし使うところとか、かさを捕まえるところとかさ、雨どいにひっかかった紙飛行機を指先で探るところとか、ああいう、本当に何気ない動作にこそぐっとくるんですけど、そういうのって、真似できるようなものじゃないような気がしました。

エンディング、スタッフの名前が手書きなのとかもよかったよ。なんか、目に優しいわーとなりました。どうでもいいが、プロデューサー見習い、という役職があるのな、とちょっと笑った。