腐印注意

腐印の 映画 アニメ BL 雑記。おもにネタバレありです。

「アフターショック」

某番組で褒められていたのでみてみたんですが、だ、ダメだった……見ている間本当に苦痛だった……。
ホラーもディザスターものも好きな私なので、足してあるこれは楽しめるかも、と思っていたんだが、想像以上にダメでした。いや、同じ監督の「ホステル」とかはね、まあ、残酷描写がちょっとアレなんで2回見たいとは思いませんが、一度見る分には楽しめたんですよ。拷問風俗みたいな話なんで、そこが苦手な私にしては、まあ、見れた方だと思います。最後にね、きっちり復讐するところとか、「あ、ちゃんとそんなシーンをいれてくれるんだ」っていう(笑) 意外とサービス精神旺盛だな、みたいな。
なので、まあまあ安心して見始めたんですが、うーん……。なんつの、出だしの観光を楽しむきゃっきゃシーンが、長すぎ! とか、その分、あとの展開が雑すぎ! みたいな、そういうのはまあ、B級ホラーなんだから、と多少甘めに見れるんですけど、うーん……やっぱ、地震かな。地震とか津波とか、リアルな話題すぎるので、それをこういうお化け屋敷風に作られるとなんか、イラッとしました。リアルな怖さとはピントがズレているし、かといって、ファンタジーと笑い飛ばすには半端にリアルというのかなぁ……チリとかさ、ほんとに津波の被害とかあるわけじゃないですか。それでこんなことになる? 犯罪者が、災害で解き放たれた途端、「ヒャッハー!」と北斗の拳ばりにマンガみたいなふるまいを始めるって_| ̄|○。
いや、なかにはそういう人もいるのかもしれないが、自分だって余震や津波で死ぬかも知れないのに、女の尻を追いかけている場合か? ガレキの下敷きになっている人間を焼き殺して笑っている場合か? いかに犯罪者とはいえ、まず自分が安全な場所に逃げるとか、家族のもとへ駆けつけるとか、しない?
この人たちの、ゾンビより低脳な感じにまず腹が立ち(笑) 逃げている主人公たちの、さわぎっぷりにも腹が立ち_| ̄|○。 いや、ほんとうに、大変な事態なんだから、そんなぎゃーぎゃーわめいている場合じゃないんだって。悲しんだり怒ったりするのはあとだって。生き残るために真剣になる場面なんだって。どうしてこう、自己主張が激しいんだろうなぁ、どいつもこいつも、とそこにもイラッとくる(笑) 話がまとまらない。
いや、まとまらなくしているんでしょうけど、わざと。その、すべてがわざとらしい感じがさーなんか。受け付けられなかった……。
一か所、逃げてる主人公たちをかくまうかかくまわないかで地元住民と揉めるシーンがあって、そのときの主婦の行動はね、あそこはまあ、わかる気がしたっていうか、こういうことはありそうだな、と思いました。
実際、あとになってみるとこの主婦の判断は正しかったっていうのがわかる(笑) そして、なぜにあの犯罪者は、あそこまでクレバーにふるまっていながら最後だけ豹変しちゃうんだ。どうせみんな死ぬかもしれないのに、秘密が知れたからって殺すのとかあとあと! あとの話でしょ!
そして、津波から逃げていたのに海辺でひとやすみひとやすみって!(笑) なんだかなぁ、もう……という、オチでした。
そしてね、これは細かいことなんですが、トラウマを背負っていた女のキャラがさ、こどもの墓場で目が覚めたときに「いやー! きゃー!」みたいになるんだが、アレ、どうかと思ったよ。この話って基本、前半の時に垣間見えた傲慢さの代償を支払うような死にざまが多いんですが、この人の場合さ、自分がなくしたこどものトラウマで苦しんでいて、それなのに、「ギャー!」はなくない? っていう。もっとこう、悲しい、ごめんなさい、みたいな打ちのめされた感じになるならわかるけどさ、と、唯一まともそうだったこの女性にも引いた瞬間でした。いや、キャラにひくっていうか、監督に引くよね。「リング」とか「永遠のこどもたち」とか見てほしいよね。
もう、イーライ・ロスはみない! と直後はぷんすかしていましたが、しばらくたつと、うーん……まあ、そんなに怒るほどでもないのかな、とか、自分にちょっと自信がなくなったこの作品です。
地震津波、というのが、単に地雷だったのかもしれないし……ポニョとか、まあまあいいキャラではあるんだよなぁと思うと、いいところもないわけじゃないんですけどね。