腐印注意

腐印の 映画 アニメ BL 雑記。おもにネタバレありです。

「エイプリルフールズ 白ゆき姫殺人事件」

同じ時間帯に放送していたので、迷って結局両方録画してみました。ひさしぶりの邦画です。

まず「エイプリルフールズ」。
リーガル・ハイ」でおなじみの脚本家、古沢良太です。しかし調べてわかったことですが、「三丁目の夕日」や「相棒」でも有名でした。そうだったか……。
うん、それでちょっと納得がいきました。私「リーガル・ハイ」好きなんですけど、あれは、堺雅人がよかっただけ、なの、かも……とこのたび考えさせられた。
この映画「エイプリルフールズ」という題名通り、いろんな嘘が巻き起こす、ドタバタ群像劇、といいますか、うん、それ以上でもそれ以下でもなく……いくつかのパートがバラバラに進行していって、最後に全部がすこしずつつながっていた、みたいな終わり方する、そのへんはよくある感じなんですが、その、おのおののパートの話が、もう……全然おもしろくないんだよなぁ……。皇族のフリする夫婦とか、「詐欺かな?」と思っていたら、「余命いくばくもない妻に夢をみせてあげたかっただけ」とかさぁ、ヤクザが少女を拉致! と思ったら、「実は父親で、死ぬ前に娘に会いたかっただけ」とかさぁ、普通、あまり考えない類の解決方法とるひとばかりで、まずはいりで共感するのが難しい、のに、最後は変に人情話におとしこんで感動させようって、しないよ! そんな感動! 皇族というだけであんなにキョドるタクシー運転手とか飲食店経営者とか、いる? 占い師を事情聴取するまえに、病院のなかで医者のふりしている男を逮捕しろって話ですよ。全体に、ギャグというよりは悪ふざけ、話の展開もベタすぎて一ミリも笑えない。本筋の話がきちんとしていて、それの合間にちょっとはいる程度なら、まあ……と思えたかもしれないけど、その、主軸の話がアレだもんなぁ……。
他の客もいるレストランのなかで拳銃をぶっ放す理由が、妊娠させられたのに、責任をとってもらえなかった、って(笑) 「うわ、このひと、オカシイの?」ってこっちはドン引きなんですが、まわりの客もオカシイっていう(笑) 撃たれている人いるのに、のんびり打ち明け話聞いてるとか、「ここで産もう!」とか、意味わからん。救急車、一台しかないんですか? 道路、一本しかないんですか? 別の救急車呼びなさいよ。てかまず警察を呼びなさいよ(笑) たとえ足だろうが、撃たれたのを放っておいたら死ぬし。犯罪者だから撃ってもいいじゃん、とかじゃないし。なのに最後、こどもも無事生まれて、ふたりはハッピーエンドって_| ̄|○。
はぁ〜〜〜……、
見なきゃよかった、
……とならなかったのは、唯一、窪田正孝のゲイカップルパートがあったから(笑) これもアホな話ではあるんですが、短かった分だけアラも目立ちようもないというか、単純に自分が楽しかったのでそれでよし、となりました。
そういや「リーガル・ハイ2」でも、岡田将生に衝撃のオチがありましたが、あれは素直に「え?!」となって、つい、最初からドラマを見返したという、うん、私の中で、古沢良太は“萌え供給”の枠でお付き合いして行こうかな、という結末です。話題になった「鈴木先生」も、途中から「……。」となったんだよな……(まあ、あれは原作も……)。

で、「白ゆき姫殺人事件」です。
原作 湊かなえ。「告白」「夜行観覧車」「贖罪」「Nのために」……私けっこう見てます。でも、原作は一度も読んだことがありません。ので、映像化してどんな按配になっているのかはよくわからないんですが、うーん、お話としては可もなく不可もなく? 見た中では「告白」が一番ヒキがありましたけど、オチに納得がいかなかったので、一度見ただけです。や、映画としては、よくできていたと思いますけど……。「夜行観覧車」は、再放送で何気なく見て、けっこう喰いつきましたが、やっぱり、もう一度見ようとまでは思わなかったな……「贖罪」は、湊かなえ作品というより、黒沢清印として見てしまっているのでちょっと脇に置いておいて、「Nのために」は、とにかく窪田正孝小出恵介がよかったっていう、それだけで見る価値あったな、とは思いましたが、そのほかについては、これという、あれもなく(笑) あ、徳井の演じるDV夫が意外と怖かった、という目玉はあった! ただ、あの不幸てんこ盛りの展開がこう、いささかわざとらしいんだよな……。
どの作品でも、まあ言いたいことはわかるし、切り口とか、問題意識もわかるんだけど、ただいつも、「……それで?」となる(笑) まあ、そういうこともあるかもしれないけどねー、で、自分のなかで終わってしまうんだよな……昼のワイドショーをちょっと深読み、みたいな……「意外な展開!」とかでもないし、「よくわかる」でもないし、「わからなすぎて逆に新鮮」とかもない。
今回の「白ゆき姫殺人事件」も、無責任な人の噂で犯人にしたてあげられていく恐怖……みたいなのは、まあ、わかるんですが、しかし、火があるから煙がたっているところもあるしなぁ……見事に、どの登場人物にも共感できなかったので、「……ふーん」としか思えなかったっていう(笑) 底意地の悪い女がちっちゃい悪意を振りまいたなかに、あんまり物事を深く考えない人と本物のサイコパスがいたらこうなりましたって……、ナニに共感したらいいの?(笑) 綾野剛が演じるテレビマンがどうしてああいう編集しているのかもわからない。一緒にインタビューを追いかけているはずのこっちが「えー?! なんで?!」となるんですが、それも、綾野剛自身がそう思っているのか、上からの圧力でそうせざるおえないのか、葛藤や疑問があるのかないのかさえわからなかったもんなぁ……話題になればどうでもいいやと思っていたなら、あのオチはないよなぁ……。
見るほどに少しずつ「?」が積み重なっていくのですが、まあ、腹が立つってほどでもないです。てか、蓮佛美沙子の犯罪シーンが怖すぎて、全部どうでもよくなった(笑) 井上真央綾野剛も、殺されなかっただけよかったじゃん(笑)
そして、集団を敵にまわしたら、信用できる数少ない味方を探して自分の精神を支えよう、というオチは、うん、正しいと思いました。ただ、これも諸刃の剣で、その数少ない味方に裏切られた時の反動ったらハンパないけどな。。。
ま、テレビでしたので、映画館でお金を払って見たわけではないので、見ているあいだは楽しめた、ということで、はい。

そういや両方に出演していた菜々緒ですが、きれいすぎるっていうのも、役者を演じるうえでは、枠が狭くなって気の毒ですね……。