腐印注意

腐印の 映画 アニメ BL 雑記。おもにネタバレありです。

「2016 GW」

毎年、GWは家のメンテナンスか家事全般か、とにかく外に出ないようにこころがけています。どこに行っても混んでいる、というのが理由なんですが、意外にそうでもなかったのが駅から離れたビデオレンタル店だったので、よし、普段は見れないガッツリ系をこの際制覇しよう、といまさら借りて見た5つの作品。

ゴーンガール
フォックスキャッチャー
アメリカンスナイパー
アクト・オブ・キリング
レッドファミリー

……見た人ならわかる、胃の重くなるラインナップ。
特に、「アクト・オブ・キリング」はヤバそうだと思っていたので、そのあとに笑おうと「レッドファミリー」を残しておいたら、これが全然笑えなかった……予告詐欺です。共産主義者のレッテルを貼られた人たちが虐殺された話を見たあとに、北朝鮮工作員の話でなごめるはずがありませんでした。……むしろしんみりしました。やっぱ一本、ゾンビをいれておくべきだったな! コメディ、とつくジャンルはあまり笑えないんだが、ホラーには、けっこう笑えるものがあります本当です。「キャビン」くらいパンチの効いたやつなら申し分なかったのだが……。
毎日一本ずつ消化してたんですが、「アクト・オブ・キリング」は、途中二回くらい別のことして息抜き。残酷すぎるから、というよりは、不可解すぎて脳味噌が疲れたから、というのが理由。インドネシア、摩訶不思議な国……「さぁ〜これからおじいちゃんが殺されるよ〜」と孫2人に自分が惨殺されるシーンを見せようとする主人公……イミワカラン。なんでそんなにあっけらかんとしているの……160人(ほんとはもっと?)とか殺してPTSDになった「アメリカンスナイパー」のクリス・カイルより、自国の人を1000人以上殺しているアンワルのほうが平気そうにみえるのはなぜ……? それがアジア?
まあ、まったく平気というわけでもないみたいですが、「悪夢を見る」とかゆわれても「……そんなものですんじゃうんだ……」と逆におどろく。これ、よーく調べて、ちゃんと見なおすと、けっこうすごいことが起こっているのかもしれないんだが、私の手には余りましたので、とりあえず封印。本物の殺人者が、被害者の役を演じて映画をとるって、斬新すぎて、状況がよく飲み込めませんでした。。。
 それにくらべて「アメリカンスナイパー」は、もう、同じ実話ものでも、ずっとわかりやすくエンタメ。わかりやすすぎてちょっと問題があるんじゃないかと思わされたほどですが、さすがイーストウッド、映画としてはよくできているので、うん、普通に映画を楽しもうと思ったら、まあ、これなんだろうな……。
私は、この5本のなかでは「フォックスキャッチャー」が一番、考えさせられた、というか、うん、2回見るとしたらこれです。こちらも一応実話がもとになっているんですが……ネットで検索かけた感じだと、だいぶ脚色してあって、大筋の話しかあってないじゃん、という(笑) でも、話としては本当によくできています。こう、心理描写が深い。見ようによっては、どんな風にでも見られるように作られていて、実際の話よりむしろ複雑になっている気さえしました。これは、日本人に向いている、という気がします……。
本当はそれぞれ思っていることがあるんだけど、口に出さずになんとなく察してみたりバランスをとってみたり、しているあいだに抜き差しならないことになる、っていう、「あ〜、あるよねぇ〜……」っていう緊張感がこう、全般に漂っていて見ていると疲れるっちゃ疲れるんですが、でも、でてくるひと、みんなの心情がよくわかる、どの登場人物にも共感できるので、最後が余計に悲しくなるよね、という内容でした。
そういう意味では「ゴーンガール」もよくできているんだけど、ただ、オチがあまりにも自分的に「えーーー!!!」だったので、こっちは2回は見たくない作品に_| ̄|○。
デヴィッド・フィンチャー、好きなんだけど、「セブン」とはちがうわ〜、これはナイわ〜。「DEAR ZACHARY」見たときみたいな、すごい虚無感。ドキュメンタリーじゃないんだから、もうすこし救いのあるオチにしてくれよ、と思いました。
が「ぼくのヤバい妻」みたいにチャラく真似されると若干イラッとするくらいにはよくできた話です。見ている間はとにかくどきどきできました。

ということで、合間に一生懸命テレビアニメを消化したり、かるく風邪をひいたりしていたら、あっという間にGWも終わりそうです。まだ衣替えしていないんだけど、さすがにもう寒くなることはない、よ、ね……?

映画の感想は、個別でまた書きたいと思います(たぶん)。