腐印注意

腐印の 映画 アニメ BL 雑記。おもにネタバレありです。

「海街diary 」

地上波で放送したので鑑賞。
……うん、うん?(笑)
いや、いい映画です。
全体で言ったら、いい映画だと思います、けど、巷で騒ぐほどかな……? というのはありました。
是枝監督の作品は、なんだかんだいって見ている私なんですが、毎回、途中でダレる_| ̄|○。
「……なんか飽きてきたな」
と思い始めたころに展開しはじめて、結局最後まで見てしまう、という流れを毎回たどっています。なのでいつも鑑賞後の印象が、「……いや、いい映画なんだけど……二回は見なくていい」となる(笑)
なんだろう、こう、パンチが足りないというか……。
今回は、原作吉田秋生なので、ストーリーは楽しめるハズだったんですよね。日常のちょっとしたことを丁寧に描いているところも、好感持てるんだ。でてくる俳優さんも芸達者だし、雰囲気も、昔の映画を見ているようでわるくないんだが、ただ、なんだろうなぁ……。若干、わざとらしい感じがしなくもないんだよな(笑) 鎌倉だのさくらだの梅酒だの、そういうアイテムがなんだか悪目立ち。家事の様子とかが、いちいちちょいシャレオツなのが、こう、ひっかかる。ああいう古い家に住んでいながらおしゃれにしているって、ものすごい労力がいることだと思うんですけど(笑) もっとバタバタするし、いろいろ雑に扱わないとまわっていかないけど(笑)
なんか浮世離れしているんですよね。それがいい、という人もいるかもしれないのでなんともいえないが、扱っているテーマが「家族」とかだと思うので、もうすこし、日常のリアルがあってもいいんじゃね? と。これがもっと進むと「かもめ食堂」になるんだよね? と思いながら見ていました。いや、あそこまでいくとあれはあれで需要があるんですけど……。

女同士の諍いポイントと協調ポイントとかもさ、物足りない感じがするっつうか、揉める時って、もっとこう、深くシャレにならない感じになると思いますけど(笑) 姉妹の笑い合う感じも、そらぞらしいというか、うん、そう、笑いが足りない、というのもありますよね。なんか、映画の中で笑っているシーンでこっちは笑えないんだよな、と思うことがしばしばありました。「女なんて、男には理解できないささいなことでキャッキャウフフしてんだろ?」とまではいじわるな見方ではないと思うんだが、実際にはもすこしブラックでしょ?
むしろ、是枝さんがいじわるな人ではないんだろうな。そうすると、私なんかは物足りなくなるのかなぁ、という。あと、吉田秋生もね、重いテーマで描いたとしても、あまり陰湿にならない作家さんなんで、それもあるかもしれないですね。私は「海街」は3巻までしか読んでいないのでなんともいえないですが、「ラヴァーズ・キス」とかも、扱いようによってはすごく重たい話になりそうなのに、うまーく青春ものにして、さわやかな仕上がりになっていました。

一番おもしろいの、大叔母の樹木希林だったもんな。「こういうおばさん、いたーーー!(でも最近見なくなった)」と強烈にデジャブでした。あと大竹しのぶのたたずまいとかも、絶妙でした。おっとりしてるようで、ひやっとさせるあの感じ、すごい「お母さん」感(笑)
となると、なんか私としては、綾瀬はるか長澤まさみのいかにも女優感が、ちょっとノイズだったかな、という感じ。もっと、知られていないような女優さんを使ってくれたほうが、良かったかなぁ……。
崖の上から叫ぶシーンとか、ほんと、どうかと思ったよ(笑)
清涼飲料水のコマーシャルかよ、と失笑。広瀬すずをきらきらさせすぎだと思いました(かわいいけどさ)。

いまのところ、是枝監督作品の中では「そして父になる」が一番おもしろかったかも。。。
あれは設定も奇抜だったのが、ヒキになってよかったのかもしれないですね。