腐印注意

腐印の 映画 アニメ BL 雑記。おもにネタバレありです。

「2016春のドラマが終わり」

ました。
ほぼ、当初の予定通り、最後まで見たのは「ゆとりですがなにか」と「火の粉」。そして、意外に途中からおもしろくなったのが「重版出来!」でした。
重版出来!」は、永山 絢斗が活躍しだしてから、まあまあ喰いついて見ていた私です。なんだろうな、思っていたより主人公が活躍しないところも良かったのかも(笑) 出てくる主要キャラクター、みんなに一話ずつ、ほぼ等しく出番を与えているので、次回へのヒキが弱いかわりに、何話かトバしても理解できる作りになっていたのが、逆に戻りやすかった。話の展開は、まあ、ベタと言ってしまえばベタなんですが、ヲタの私は当然、マンガがもともと好きなので、登場人物たちの「本が好き! マンガ好き!」という気持ちに共感しやすいというのもあり、うん、ふつうにオチは毎回感動してました。まあ、正直「そんなきれいごとばっかじゃないでしょ……」という部分も、ないわけではないんだけれども、、、軽く見るにはいい塩梅、というか、無駄に期待させない分、がっかりもすくない、みたいな(笑) 見たい! とまでは思わないけど、見てもいいか、とは思わせる、夕飯時に絶妙のバランス(褒めてるよ)。
いまとなっては、「僕のヤバイ妻」より、こっちを見てればよかったな、と個人的には思います。「ヤバい妻」は、もう、途中で切ったので後半どうなったのかはよく知りませんが、どちらにしろ「ゴーンガール」と比べられるような出来じゃないだろうしなぁ。

「火の粉」はですね、最初、思っていたのとはちがう着地でしたけども、「……うん、もう、アリだわ」と思わされたのは、なんといってもユースケの演じた武内さんのキャラの素晴らしさだったと思います(笑)
見始めた時は「サイレーン」みたいなサイコパス犯罪者ものだと思っていたので、対峙する優香のキャラが弱々しすぎる、というか、その家族の(特に男性陣の)だらしなさ加減にイライラしてしまって、途中で切ろうか、と思ったほどでしたが、それを思いとどまったのは、なんといっても“武内さん”のキャラの立ち具合がもう、「マンガか?!」って感じで、「お気に召しませんか」というセリフのホラーさ加減に爆笑したいがために、毎週追いかけずにいられなくなり、そのうちに、武内さん自体を好きになりかけている自分に気付くという始末。優香の親友役の琴音がサイコパス化してきたり、優香たち梶間家もキャラ化してきて、極めつけは、あの名シーン、マッサージチェアで洗脳(笑) 部屋からでてくる家族が、みんな魂を抜かれたみたいになっていたのを見て、「うん、これは、“サイレーン”じゃなかったな! むしろ“ケーブルガイ”だな!」と自分の見方を180度変えました。

ケーブルガイ、知ってますか? ジム・キャリーが演じた米の映画作品です。マシュー・ブロデリックが演じるスティーヴンに、ケーブルテレビの配線工としてやってきたジム・キャリー演じるチップが、ストーカーする話です。つっても、「ヒッチャー」ほどのホラーテイストではなく、むしろギャグ。こう、妖怪にめちゃくちゃ懐かれる感じ? 日本のアニメやマンガなら、すぐにバディになれるのだが、なにしろ米の映画なので悲しい結末になります。キレるマシューブロデリックに「どうしてこんなひどいことするんだ!」といわれて、鉄塔に追い詰められながら「友達になりたかったんだよ〜」とジム・キャリーが切なく叫ぶ、傑作! 私の中では傑作です!(笑) 冷静になるとひでぇ脚本なんだけど、役者の力で(すこしは)面白くできるんだ、と、ジム・キャリーの底力を感じさせた、愛すべきB級作品。

というわけで、私の中でユースケは“日本のケーブルガイ”“平成の冬彦さん”ですよ(笑) それほどにキャラが立っていた。続編が作られないのが残念です。いっそ「男はつらいよ」みたいにシリーズ化して欲しい。毎回、ある家族のとなりにユースケが引っ越してくるところからはじまって、すったもんだあって、「……また、ボクの家族は作れなかった……」と死体を残してユースケが去っていく、そんなサスペンスホラーシリーズ、どうですか?(笑)
いやもう、ほんと、後半は笑わせてもらったので、「火の粉」は満足でした。みんなで墓参りしているのを見て「とうとうここまできたか、よかったね、武内さん、がんばったね(ほろり)」と、見ているこっちも自分を見失ないました。武内さんの思想に感染してます。
ユースケすごいなー。「キュア」を見た時も、この人が犯罪者やるとこええ、と思ったけど、今回は、そこに愛らしさまで加わったもんな(笑)
原作は、たぶんこんなストーリーじゃないと思うので、脚本家の人の味が濃厚に出てしまったのか、途中から、武内さんにひきずられて方向が変わってしまったのかはよくわかりませんが、そこは、ドラマの面白いところかな、とも思います。
「殺人さえしなきゃ、いいひとなのに!」
と俊郎が感極まって叫んでましたが、それ、見ている人はみんな思ってたと思います、はい(笑) 家族にひとり、いてくれたらいいよね武内さん。犯罪さえ犯さなきゃね。

最後に「ゆとり〜」についてもちょこっと書いておこうかな。。。
安定の面白さでとくに書くこともないですが、そうだな、はじめて太賀さんみましたが、このひとの演じる後輩山岸が、やっぱ秀逸だったな〜。「ゆとりモンスター」と呼ばれた会議室での話し合いのシーンとか、巻き戻してみちゃったもん、あんまり面白くて。ハートフルな話が合間にはいるからって、とくに成長するわけでもなく、っていうか、地味に脇でキャラの安定のしなさに悩んでいるっていう、あれ、いいよね。笑うよね。
最近、若手の俳優さんは、面白い人多いよな、と素直に思いました。そういう人たちが活躍できるような場が、もっとあるといいのにね。

今期はドラマ、楽しめました。ありがとう。