腐印注意

腐印の 映画 アニメ BL 雑記。おもにネタバレありです。

「悪夢探偵」

これもねー、ずーっと気になってて、松田龍平だし悪夢で探偵であのビジュアルだし、でも……、塚本晋也_| ̄|○。
塚本晋也かぁ!
と、いつも手にとっては棚に戻しの作品。
いや、塚本晋也はすごい監督だと思いますよ。私、そう思ってはいるんだが、でも、鉄男。鉄男がさ……もう、ほんと、胸いっぱいおなかいっぱいの男節が強すぎて、とにかく女の人がひどいめにあうからさー、いたたまれなかったんだよねー、もう。
でも、今回挑戦!
2が出てるんだから、そこそこ一般受けしたのにちがいない。すこしソフトな作りになっているにちがいない、と期待し、ええ、たしかに、すこしフツーな感じ? フツーなホラー的展開? すぐ死にそうなイケメンもでてきて? 実際すぐに殺されてましたが、殺されるところもホラー慣れしている私でさえ新鮮に怖い感じでワクワク?
おお、このまま、このままキレイでコワーいホラーの感じで行ってくれるのかなー、と思っていたら、えーと、うん、犯人がさ。これ、一応犯人がいるんですが、野性味のあふれすぎた無国籍な雰囲気の犯人が、血染めのシャツを着たまま包丁を片手にキレキレの舞踏をはじめたあたりから、若干、ザワつく予感。そして、「戦わなきゃ!」とヒロインが戦闘態勢にはいり、松田龍平が加わって、夢の世界で戦いがはじまるんですが、いや、それはいい。モンスター化している相手と戦っているところはそこそこ楽しめたんだが、その、あと?
そのあとねー、なんかこー、犯人の内面世界とヒロインの内面世界と龍平の内面世界がいりみだれはじめたあたりからねー、いや、わかる。悲しみを表現しているのはわかるんだがしかし、それにしてもちょっとクドイというか顔芸がすぎるというか、犯人押しが。犯人押しがすごすぎてなんか、若干ヒキ気味の私ですわー。
だって絶対、塚本さんはこの犯人をカッコイイと思ってるよ。ほんとはコイツが主役だよ。松田龍平、添え物ですよ。つか、悪夢探偵も犯人に共感しちゃってるんだもん。
ゆったらなんだけどさー、残虐の限りをつくして人を殺した犯人をよー? かわいそうな過去を引き合いに出して、血の涙とか流させて、慈愛顔の龍平に見つめられながら、それでも包丁ふりまわさせて、病院で御臨終、ピーって、え、どんだけナル? どんだけ乙女? 男のロマン、手におえねー……という、乾いた気分になってもしょうがないと思われます、はい。
いや、塚本さん、あいかわらず煩悩力すごいよ。ダダ漏れてるよ。画面から。こういう方は、なにかが過剰すぎて、表現していないとオカシくなってしまうのかも、と感嘆させられる面もあるんだけど、でもさ、なんというか、作品の中に、あまりにも日常がなく、つながりがなく、美しいシーンや破壊的衝動はちりばめられているんだけど、ぶつぶつと途切れて行ってしまうのでやっぱりこっちは、若干、置いて行かれてる感はあるんだよな……。
これ、男の人だと素直に「かっけー!」となるのかしらー。
なんかなー、なんか私は感情移入しずらいんだよなー。

まあ、ホラー的な怖さはなかなかですし、そういうものに特別物語は求めないよ、きれいなお姉さんが血まみれになったり頭をかきむしって恐怖に震えている姿を見るのが好きだよ、というひとにはおすすめかも。

私は、2、……見ようかどうしようか、迷うなー、っといったところです。なにか違う展開があるのか知りたいが、同じ内容の繰り返しならヤだなー、という感じ。
一回でおなかいっぱい_| ̄|○。