腐印注意

腐印の 映画 アニメ BL 雑記。おもにネタバレありです。

「キャプテンハーロック(3D)」

「マン・オブ・スティール」をやめて、結局こっちを見たんだな。それは、正解だったのかどうなのか?
まだわかりませんが、いや、うん、見ているあいだは楽しめましたよ一応。。。

かの「FF映画版」を思わせる、全編CG、モーションキャプチャー、いわゆるゲームのムービー画面を見ているみたいなアレなんですが……そうねー、たしかに、だーいぶ技術が発達したみたいで、背景なんかもう、本当に実写みたい。キャラクターもさ、動きもスムーズだし、光のあたり具合とか、すごくキレイでですね、うん、カッコイイ。ミーメの髪とか、これはCGならではのうつくしさではあります。だ、が、表情とかは、まだぎこちないよね。どうしてもこう、人形に演技させているみたいな違和感があるといいますか、声優さんの声のナマナマしさと較べると、若干、こう、ズレがあるというか……。やっぱさ、難しいよな、人間。人間の顔って、本当に難しいと思う。なんだろうな、生身の人間の情報量ってきっとすごいんでしょうね。リアルに近づけようとすればするほど、かえって違いが目につく、というのは、この手のCGができたときからの問題だったような気がするんですけど。。。

なので、本当は、すこし違うところを目指した方がよかったような気がするんだよなー……。自分がアニメを好きだからいうわけじゃないけど、これなら、「009 RE:CYBORG」のやりかたのほうに可能性を感じる……。どうせリアルの情報量に追いつかないなら、逆にシンプルな線にしてわかりやすく表現してくれたほうがキャラクターの心情には共感しやすい。

そりゃ、ミーメみたいな宇宙人とか、宇宙生物みたいなものならね、もともと見たことのないものだから、単純に「うわー♪」と思えるけど……。花みたいなさ、自分が触ったことがあるものって、「……なんかちがう」という気持ちの方が先行してしまいます。

それとも、アレかなぁ。
技術の問題じゃなくて、表現の仕方の問題なのかな?(笑)

どうもね、話の運びがあんまり上手くない(笑) 宇宙海賊的には売りであるはずの戦闘シーンも、ほかの映画でよく見たような感じしかしない。アルカディア号が暗闇の中から登場するシーンも、一回は「おお」と思うけど、何回も同じようなの見せられると「もうええわ」となるし(笑)

自分、SFスキなので宇宙空間の表現の仕方とか楽しみにしていたんだが、どうも、重みがないっつーか……。CGなのに、日本の特撮っぽく、かーるく見えるんですよ、船とか戦闘機とかの質量が感じられない。あれ、なんなんだろう? 建物だって、東武ワールドスクエアのミニチュア見ているみたいなんだよねーなんで? だって、「トランスフォーマー」が作れるんだから、それは技術の進化にかかわる問題じゃないよ、ね?

うぬう……これなら、いまテレビで放映している「ヤマト」の戦闘シーンのほうが、かっこいいもんな。やっぱ、見せ方の問題なのかなぁ……。

外見の問題だけじゃなく中身もです。

せっかくの宇宙、せっかくのアルカディア号なので、もうすこし、船の中での生活の仕方とか、日常的なシーンいれてほしかったよね。そりゃ、ハーロックダークエネルギーとかで生きているみたいなので必要ないんでしょうが、ふつうの乗組員は食事したりしなくちゃいけないんでしょ? 海賊なんだから、みんなで酒を飲むとかさぁ、そういうの、あるはずだよね。着る物の洗濯だってするよね。わずかにあったのシャワーシーンとヤマが掃除機かけているところですが、ああいうのもさ、その一瞬だけじゃなくて、どんな風にスイッチいれて、洗面台とかアメニティとかこういう風になってて、というのを、ふつう描くよなー。そういうところに、宇宙生活っぽさがでるっつーか、エイリアンのノストロモ号みたいなさ、あの雑然とした空間に「うわ、いま、宇宙船にのっている!」っていう臨場感があるっつーか……。

なんかそのへんも、アニメというよりはゲームのムービーっぽいんだよね。
キレイではあるんだけど、平面っぽいというか、ひっかかりがなさすぎる……ハッとするシーンのひとつくらい、いれておいてくれよぅ……。

とにかく、全体を通して“通り一辺倒”、というよりない……。そうね、やっぱり技術の問題なんかじゃなかったね。見せ方の問題、つーか、結局、なにが言いたいんだろうなぁ、という? 画面はキレイになっていても「FF映画版」からあまり内容は進化していないのかも……という気になっちゃいマス。

話の内容も、いろんな要素を盛り込んではいるんだけどさ、それもやっぱりどっかでみたようなよくある話っつーか……、つぎはぎっぽい。
大体、活躍するの、ハーロックではなくてヤマだしな。ドラマがあるのはお兄さんのイソラとの確執の方だしな。でも、それだって普通ならサイドストーリー程度のことで、あくまでメインになるのはハーロックが戦っている理由とか、宇宙の命運のほうじゃないかと思うんですが、そっちの比重のほうが軽く見えちゃうのはなぜ? みんないろんな理由で戦っています、というのを説明しようとするがあまり、こう、結局だれも悪くないよねー、みたいな、ぼやぁっとした対立の仕方になっていて、めりはりがない。

いや、ハーロックか。結局一番悪いのは(笑)

時元振動弾とかいうやつで時の結び目をほどき、昔のしあわせなころにもどりましょう、とゆうのが目的というので、まだ人類が宇宙に進出しない時代とかですか? でも、5000億にまで増えた人たちは、結局いなかったことになるの? 60億くらいのときにもどっちゃうの? と思っていたら、なんと「ビックバンからやりなおしましょう」だって! 137億年もさかのぼるんかい! それ、やりなおすっていうより、単に、人類ごと宇宙を滅ぼしま〜す☆ って話じゃ?!
と驚愕。

いや、ハーロックってさ。オイラ海賊だけど、青い地球を守るためには戦っちゃうぜ、という人じゃなかったっけ?
つか、その場限りの思いつきで地球をガミラスみたいにしちゃったの、ハーロックなんですけど……普通なら、全人類から憎まれそうな立場なんですけど……。そしてその自分の若気の至りの失敗を直視したくないがあまりに宇宙ごとリセット☆
って_| ̄|○。

わるいなー、ハーロック、ワルいわー! 海賊だから元々悪いのは悪いんだけど、それ、べつのイミで悪だわー! アルカディア号の乗組員さえ、真意を知ったらぎょっとしていたじゃないですか、ウケる〜♪

いやまあ、それならそれで、貫いてくれるなら面白かったかもしれませんけどね。100年も生きていながらそんなことしか考えられないなんて、地球萌えがすぎるだろ、ハーロック、病んでいるのか? とは思ったが、まあ、いい。いいです。「オレの大事な地球は誰にもわたさん! 誰かに住まれるくらいなら、壊しちゃえ!」っていう狂気も、まあ、それはそれで新しいのかもしれん。オチで宇宙が破壊されるところを見せてくれるのかー、荘大だなぁ〜。たしかに、それはCGで表現する甲斐があるよね、とべつの意味で期待していたら、……ないでやんの。地球に花が咲いているのを見ただけで「……今回のところはこれくらいにしといてやる」とかなってんの。はー、肩すかしもいいところ。

そして、悪いおじいちゃん達が倒されるわけでもなく、地球がコスモクリーナー的なアレできれいになっちゃうということもなく、滅びかけている人類が再生されるわけでもなく、つまり、冒頭にならべられた問題はなにひとつ解決しないまま終わってマス。

ハーロックが、ヤマという跡継ぎをゲットしただけ。それで100年の孤独が癒されちゃっただけ。
なにこれ、恋愛ストーリー?(笑)
宇宙を巻き込んだヤマとハーロックのいちゃらぶ?!

とにかく、今回ハーロックがお花ちゃんすぎた……なんでどうして? ハーロックとえば男節炸裂の、泥臭いアレじゃないんか? こう、ゴルゴ13的な、マッチョマチョの、あらくれ者を束ねる反逆者の首領じゃなかったんか? 「幻にすがりたい……」とかゆいだしたら、もう、それハーロックじゃないって_| ̄|○。
鉄郎が憧れたアノ人じゃないって_| ̄|○。

ヒロイン……。もはやハーロックはヒロイン的な立場です。ヒーローはむしろヤマとイソラの兄弟でした、残念。

声、かな……。
声がわるいのかなー、キャプテン=小栗=ハーロックよ。100年宇宙をさすらった男の声じゃないんだもの、どうにも弱々しい。。。
その点、ヤマをやった三浦春馬はよかったです。イソラは森川智之なんだけど、かけあいをしていても、遜色ない、とまでいうといいすぎかもしれないが、うん、キャラクターに合っていたと思う。

あー、「戦勇。」のアルバにいて欲しかったよ。
ところどころすかさずつっこんでくれたハズだよ。
私じゃもう、つっこみが間に合わないよ(笑)

うん、もう、いろいろ言い始めるとキリがないんだが、まあ、なんだろうな、すくなくとも「実写版ヤマト」よりは、愛せるかな。。。
そう、つっこむのは愛です。
パシフィック・リム」とは全然別の意味で、仲間うちで笑いながら見られる感じには、よくできているかな、とは思う。




※ そういや、今回、TOHOシネマで3D見たら、すごく画面が暗かった……宇宙空間なんて、暗くて何をしているかよくわからないほどだったんですけど、2Dで見たら、もっとあかるかったのかなぁ?
いつもみる映画館がね、あまりにもイスが合わなくて、「風立ちぬ」見ている間ものすごく背中が痛かったので、TOHOにしたんですけど。
うん、イスはね、TOHOのほうが全然ラクだったのだが……今後、画面の暗さとどっちをとるかとなると、悩むところだなぁ。