腐印注意

腐印の 映画 アニメ BL 雑記。おもにネタバレありです。

「エリジウム」

そろそろ終わりそうなのであわてて見てきた。
最終の回だったのに、そこそこお客さんがいて、「ニール・プロムカンプ、まあまあ知られているのか?」と何気にうれしい気持ちに。いや、「第9地区」は本当、素晴らしい映画だったんだが、残虐度合いもすごいので、人を選ぶ話かもなーとは思っていたので。

で、「エリジウム」です。
うん、えーと、おもしろかったよ? ちゃんとおもしろかったけど、「第9地区」を見たら見る必要がないかもしれないと思うくらい、ひじょーーーによく似た構図のお話でした、「第9地区」と_| ̄|○。

「自分リメイクか?」
つーくらい、もう、「オチも流れも見えたな」というくらい、似ていてですね、そうだなぁ……「第9地区」をもうすこし、飲みこみやすく一般的にしちゃった感じ? そのせいで、私なんかからすると、ヒキが弱くなっちゃったというか、こう、切実さとか、恐怖とかがやわらいじゃってですね、よくもわるくもふつーの話になっちゃったなぁ、みたいな……。

主人公のマット・デイモンが職場で事故に遭うシーンとかはね、あいかわらず「うわー! こぇえええー!」と震撼とさせてくれたが、でもな……本当はあんなもんじゃないよな、と、日本人の私なんかは思っちゃうわけです。「Kー19」とかに比べると、ちょっと子供だましかなぁ、と。ニールさんはさ、テーマはけっこう重いものを持っているんだけど、現実のできごとの詳細とか、そういう意味でのリアリティとかにはあまり重きを置かない人なのかな、という気はしちゃったよね、今回。「第9地区」は、ある意味かなり荒唐無稽な話ではあるので、そのへんがうまく誤魔化されていたのかも……。あいかわらず疾走感とか、物語がぐいぐい前に進む感じはすごいんだけど、でも、話の運びとかにはアラがある気もしちゃったよね。ここにきて、すこし素人臭さが出てきてしまったみたいな……。戦闘のシーンとかの、逃げていない感じはえらいと思うんだけど、そこばかりが強調されちゃうのもどうかなぁ、というところはあります。。。全体に、人間関係とか、心の機微とかを描くのはうまくない、みたいな、なー……。うーん、こうなると、「第9地区」が、奇跡的にうまいバランスで成り立っていた、というオチになってしまうのかと、何気に心配になってきました(笑) いや、まだわからないですけど……。地球の廃墟寸前の街を見せるところとか、エリジウムの造詣とかさ、映像はほんと、圧巻、と思わせるところもところどころあるんだけ、ど。。。それだけなら「ダークサイドムーン」でいいんだもんな(笑)

うーん、困ったなー(笑)
いや、私が困ることないんだけど、でも、なんだろうな、「だれか、ニールさんのいいところを伸ばしてあげて!」みたいな?
そして悪いところは補完してあげて、みたいな(笑) そんな感じで、次作に期待。

つけくわえると、ジョディ・フォスターの長官はよかた。死にかたもなんだかだし、うすっぺらい悪役なんだが、なんつの、歳をとっても少女のような色気があるんだよなー……。もっと活躍してほしい。



あーあと、これは私の目が悪いからそう思うのかもしれないが、画面がやたらに揺れるのがツラかった、なー……。ドキュメンタリーっぽい臨場感を出そうとしてそうしているのかもしれないけど、戦闘シーンとか、もうすこしひいて見せてくれないかな、ツライ、と思いました。近すぎるんだよね、被写体が。動きに目が全然ついていけなくて、ものすごく疲れた……。テレビで見ればもうすこしラクなのかもしれませんが、でもなぁ……「第9地区」が、テレビで見たら面白さ半減していたので、わざわざ劇場に足を運んだんですけどねぇ(T-T)