腐印注意

腐印の 映画 アニメ BL 雑記。おもにネタバレありです。

「イカとクジラ」

深夜映画。
題名が面白くてなんとなく録画してしまいました。ギャグ映画と紹介されていたんだが、ぜん、ぜん、ギャグじゃなかった……むしろ、真面目な家族モノのヒューマンドラマだった……。

離婚した両親の共同監護とかいうやつで、毎日ふたつの家を行ったり来たりしなくちゃいけない兄弟の話……いや、その分け方がさ、月・水・土と火・金・日、木曜は週替わりで、みたいな、なにそれせわしない、日替わり定食じゃないんだからさー! みたいな(笑)
もっと、二週間置きに、とかにしてくれないと落ち着かないジャン、と勝手に思ったわけなんだが、まあ、そういう風にしないと映画的にドラマを作りにくかったのかな、と邪推したりして……。
とにかく、そんなわけで、もちろん、兄弟的にもいろいろ不満があり、鬱積したストレスがいろんな方向に噴き出してですね、端で見ていても、おいおいおい、という展開になるんだが……。
なんつかな、そりゃ、離婚、悪い、という気はないですが、母親が長男に、“夫婦の問題はあなたたちに関係ない”みたいな言い方したときには、「でもさ、それでふりまわされてますよね、こども、こどもも家族のメンバーなんですから、関係ないってことはないですよね」という気持にはなった……とりあえず、自立できないうちはどうしようもないわけだからさ、こども。そのへんの事情も汲んで、とりあえず、男女の問題はこどもが成人してから改めて考えるんじゃダメなんか? 20年のあいだ、棚上げにしておくってわけにはいかないんか? ……とか思った次第。まあ、顔を見るのもヤダ、ストレス! とかまでなったら仕方ないのかもしれないけど……“私には、もっと素敵な相手がいるハズ、もっと素晴らしい人生が送れるハズ”とかの理想に付き合わされるんじゃ、かわいそうかなぁ……と。
以前、「ブルーバレンタイン」という映画を見て、これも、ま、別れる夫婦の話なんですけど、こっちはね、ほんともう、見ていて「これは別れるよりしょうがないな」という気になったんだが……まあ、こどもを視点にするか、親を視点にするかという問題もあるし、なかなかさじ加減て難しい気はしますけど。
この話、こどもも大変なんだが、親の方も人生に混乱しちゃってて、まるで、こどもが四人いるみたいになっているのが、なんかリアルだなぁ、という感じもしましたけどね。
なんだかんだいって救いは、それぞれ、みんな愛はある、愛はあるんだけど……というところでしょうか。
ハデな演出とかはないんだが、地味にいい映画でした。

長兄がさ、どうみても「ソーシャル・ネットワーク」の人ですよね……と思ってウィキってみたら、やっぱそうでした。ジェシー・アイゼンバーグ。つか、「ヴィレッジ」にも出ていたらしく、「まじか?」となり「ゾンビ・ランド」の主役だと知って、「いわれてみれば!」といまさら。
えーと、「ゾンビ・ランド」はおすすめっス。
ゾンビ初心者でも大丈夫、誰も死にません。あ、ひとり死ぬけど、ゾンビのせいじゃなくて人間のせいっていう(笑) ゾンビ愛にあふれた映画。

ちなみに「イカとクジラ」という奇妙なタイトルは原作まんまだった……ちゃんと、最後のころにエピソードがでてきます。「博物館のイカとクジラのコーナーが怖くて……」と主人公がセラピストに話すんだが、「こどもは微笑ましいのゥ……」と笑っていたら、あとで本当にその場所がでてきて、マジに怖くてウケた……あれはこどもにはトラウマになるわ(笑)