腐印注意

腐印の 映画 アニメ BL 雑記。おもにネタバレありです。

「セブン」

再放送していたので、ひさしぶりにみた。
てか、何回も見てるんですけど、何回見ても面白い。というか、怖い。怖いヨ! 最初から最後まで!

これ、私、劇場で見ているんですが、1996年て、もう20年近くたつのか……とちょっと驚き。でも、いまみても全然古い感じがしないんですよね。当時、観終わって「すごい! すごい映画だった!」と思いましたが、今回もまた思った。端から端まで面白い。オープニングだって、ほんとーにカッコいいんですもの。すごいよな、デヴィッド・フィンチャー。いくつか作品見ていますけど、私は「セブン」が一番好きかもしれない。
まあ、出てくる場面出てくる場面、怖い! でも美しい! 美術品を見ているみたい、と圧倒されるんだけど、次の瞬間に「でもやっぱり怖い!」となる。
もうさ、大抵の人が「こういう状況になりたくないよね」と思う、悪夢みたいな展開が次から次へと、ほんと、地獄めぐりですよ。もはや、サスペンスじゃないよね。ホラーだよね。つか、ホラーでさえ、もうちょっと合間に気が休まるシーンをいれておいてくれるものなんだが、これはほんと、ずーーーっと、緊張感が持続するんですよ。いやーーーな感じが最後までつづく。

そしてあのオチね。
いままでが地獄かと思っていたら、まだ底があった、みたいな_| ̄|○
はぁーツライ。

いやー、フィンチャーがホラー撮ったらスゴいんじゃね?
って、「エイリアン3」撮ってるんだけどさ(笑) あれはそんなに怖くなかった。モンスターとかより、人間。人間の怖さだよねーやっぱり。
まあ、この作品に出てくる犯人は、もはや人間離れしてましたけど。。。
「そうか、ケヴィン・スペイシーだったのか」といまさら。私、いまケヴィン・スペイシーというと、「最悪な上司」がすぐに浮かんできてしまうんです。あれ、コメディなのにケヴィン・スペイシーが演じる上司の怖さ、ハンパないんですよ。「こんなイヤなヤツ、いる?!」と思うんだけど、いそうなんだよな、ほんとに。どちらかというと上品な顔立ちなのに、こんなにイヤなやつになれるって、すげぇな、と思わされます。
モーガン・フリーマンといい、セブンは芸達者な人たちが出ているよね。

ブラピ、「リバー・ランズ〜」から名前を覚えたんですが、なんかさ、あんまり器用な役者さんじゃないっつーか、わりと、「えー?」みたいな作品とかあって、こう、私の中で浮き沈みがあるというか、若干ハラハラさせられるんだが、セブンは、よかったです。あってました。同じ年に公開していた「12モンキーズ」なんかもよかった。あと、「ファイト・クラブ」とかも好き。……えーとまあ、「ブラピが好きだからみる」というより、「好きな映画にブラピが出てたな、そういえば」という感じのほうが多いですが(笑)

まあとにかく「セブン」では、ブラピの純朴でやんちゃな感じが、このくらーーーい、やるせなーーーい、作品の救いになっていたというか、だから逆に、オチの絶望感、ハンパない、という言い方もできるんですが(笑) まったく、フィンチャーはドSよな。ダラボンとどっちがすげぇかな、っていう(笑) しかし、好きです。「ドラゴン・タトゥーの女」以外は全部見てます。どれも面白いんだけど、こう、私の中では「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」だけが、「え? これ、デヴィッド・フィンチャーか? マジか?」といまひとつ腑に落ちないところはあるんですが(笑)
まあ、それはいいっス。

とにかくなかでも「セブン」ですよね。

最後に、モーガン・フリーマンが、この世界には戦うに足る価値がある、的なことをいうんですが、いや、あの、私、この作品をみたあとに、とてもそういう風には思えなかったんですが。。。こう、負の磁場が強すぎて。もうさ、とにかく独創的な犯罪現場の数々に圧倒されちゃって、ヘタをするとストーリーが頭にはいってこないくらいですよ。全体に流れる、どうしようもない厭世感みたいなのに、たちうちできるほどの救いがある場面て、あった? と、今回も思った。。。

……ちょっと、やりすぎ? 成功しすぎてしまったのか?
この敵、強すぎて、たちうちできないっすよね。
だってさ、この犯罪って、冒頭でもう、ほとんどの部分は終わっているんだよね……これだけの濃い内容なのに、映画の中で流れている時間は一週間っていう(笑)