腐印注意

腐印の 映画 アニメ BL 雑記。おもにネタバレありです。

「サイド・エフェクト」

ジュード・ロウの作品は、まあ、なるべく見るようにしている私です。「ガタカ」が、あまりにもあまりにも好きなので、そのせいで、というわけでもないですが、ジュード・ロウも好きになりました。じゃあ、イーサン・ホークはどうなんだ、といわれるとツライ。。。いま気になっている「フッテージ」は見るつもりでいます、はい。

で、ジュード・ロウ、うん、好きな作品もいろいろあるが、ダメな作品もいろいろある……のは、仕方ないことですよね。私、ジュード・ロウは、茶目っ気もあるし、シリアスもギャグも大丈夫な、いい役者さんだと素直に思うんだが、たださ、ちょっとハンサムすぎるんだよな、というのが玉に瑕と思うときがある。。。これは本人のせいでなく、見ている側の問題だと思うんですが、ほら、あまりにもいい男すぎてさ、無様なのを、見ている側が許せないみたいな、そういうのって、役者さんとしてはハンディだな、と思うときがあるんです。ちょいちょい脇役もやるんだが、「こんないい男なのに脇役って……無駄に目立つ」と思わされる。最近、太ってたぷたぷのジュード・ロウの写真を見て、「いいじゃん、これで演じてみたら新境地が開けるかもよ?」と思ったにもかかわらず、「サイド・エフェクト」で輝くばかりのハンサム顔を見たら、「やっぱこっちも捨てがたい……」となっている自分がいた。スマン、ジュード・ロウよ、「ロード・トゥ・パーディション」のときも、君なりにがんばっていたのにとってつけたみたいなブ男演出に、逆に物語に集中できなくなった。きみはもう、特殊メイクかCG使うしかないよマジで。。。

というわけで、「コンテイジョン」以来のジュード・ロウ作品です。あれだってさ、イヤな男のハズなのに、味方したくなっちゃったもんなーもう、しょうがねー。今回の「サイド・エフェクト」でも、そうね、だまされ巻き込まれ、ひどい目にあった主人公だから、という以上の怒りが沸いたのはジュード・ロウが演じていたからにちがいない。後半、胸のすく復讐劇を見せてくれるが、若干、やりすぎな感もいなめないのに、「ま、しょーがないか」と思わせたよこの男……。

サイド・エフェクト」、副作用、という意味らしいですが、抗鬱剤の副作用によって起こったとされた殺人の、本当の理由は……? みたいな話です。うん、物語の内容はね、はっきりいって、よくあるサスペンスものっつーか、そうねー、「ラブ・リーガル」の一話分、くらいの薄さです。オチに感動があるだけ、「ラブ・リーガル」のほうが泣かせるかもしれん……というくらい、最後の展開とかさ、あまりにも狙い通りで、もうすこし逆転劇とかドタバタがあるかと思ったら、ねーよ、っていう(笑) 奥さんとあっさり復縁しているのも、なんかな、みたいな(笑) 自分が一番ツライ時に放り出していく奥さんと、なんでヨリをもどすかな、と私なんかは思わされましたが、うん、それはこの話では重要なことじゃないんすよね。犯罪をしかけた女もさ、なんでそこまでダンナを鬱陶しいと思ったか、イマイチつかめぬ……やっぱ金か? 金なのか? そのわりに、「ワイルド・シングス」のネーブ・キャンベルほどの迫力を見せるわけでもなし、「バウンド」ほどのおしゃれ感があるでもなし、うーん……ソダーバーグ最後の作品! とか銘打っているわりに、とりたててみるところのない普通の話だった……これなら「ホステル」とかのほうが、最後の復讐の部分にカタルシスがあったなぁ……。
わるい、というほどではないけど、やっぱ、ジュード・ロウじゃなかったら見てないんだよなぁ……こう、軽いっつーか……「で、なにが言いたかったの?」っていう、なにも残るものがないお話でした。うーん、これなら「コンテイジョン」のほうが面白かった。。。

というわけで、つぎのジュード・ロウは? というと、「グランド・ブダペスト・ホテル」くらいしか思いつかないが、これ、たーくさん出ている人の中のひとりみたいなので、うん……「ホームズ」の3作目とか作ってもらうしかないかな(笑)

同じ“いい男問題”でいいますと、最近見た「その夜の侍」の堺雅人はね、なかなかすごかったっス。。。スゴい、いい感じに気持ち悪いひとを演じていて、声の出し方とかたたずまいとかね、絶妙にヒカされる。まあ、近くで見ちゃうとやっぱりイイオトコなので、そのへんのさじ加減とか難しいけれども……ラブホのシーンとかも、安藤サクラの迫力ボディとならんだときのうっすらだらしない感じとかね、いやぁ、よくできてる、と思いました。
この映画、新井浩文がおとなしい公務員の役とかやってるのもちょっとおもしろかった。。。出た瞬間、「きっとなにか企んでいるひとなのに違いない(だって新井浩文だから!)」と思いましたが、最後まで見たら、普通にいいひとでした。顔で判断しちゃイカンね(笑)