「ヴィジット」

シャマランです。「アフターアース」以来です。
キャッチコピーに踊らされて「ヴィレッジ」みたいな内容かと思っていたら、ちがいました。むしろ「シックス・センス」みたいな、初期の作品に肌触りは近かった……。そこそこは楽しめたんですけど、地味っちゃ地味な話です。一応、後半に衝撃の事実！　的なものはあるにはあるんですが、でもな……今までにも何回か見ている展開ではあるんだよな。。。なので、新鮮味とかは、ない。そして、私が求めているシャマランの奇妙テイストも、なんだか抑え気味つーか、こう、ちゃんとできすぎていて、逆にひっかかりがない……昔の切れ味がなくなってしまったなぁ、と、まともな作品を作られると逆に寂しくなっちゃう私でした。シャマランて、爆笑ポイントと恐怖ポイントが絶妙にいりまじっている楽しさがあるんだが……今回は、こう、真面目ポイントが高すぎた(笑)
べつに、シャマランじゃなくても誰かが作りそうなホラーだった……。
まあ、全裸でババアが柱をカリカリ掻いているのをみたときは、やっぱり爆笑したんですけど。。。そして、クライマックスのおむつびしゃーーー！！！もさ、「ひでぇ！　でも笑う！」とはなったんですけど……それくらい？　理解できない事件が起きたら、精新病院から脱走というオチさえつければＦＡって、安直すぎる、という気もしないでもない。。。
だいたい、中年女性を木に吊るすほどの技を見せる相手が、こどものタックルで倒されるのか？(笑)　死に物狂いで逃げなきゃいけないときにまだハンディカメラ持っているってどういう(笑)　そして、意味ありげにオーブンの掃除させるのに「ちょっと閉めただけぇ〜〜〜♪」って、怖がらせる気はあるのかシャマラン？　と怖くなる気マンマンで待機している私には肩すかし感がすごいんだが、でも、考えてみればシャマランて昔からそうなんだよな。。。流血の惨事とかはないんだよな、うん、「ハプニング」見たらわかる(笑)
シャマランというと「シックス・センス」が評判高いのかもしれないが、私は「アンブレイカブル」とか「サイン」とか、突拍子もない設定のほうが好きなんです。シャマランて、こどもが怖いんだよね。こっちが思ってもみない切り口でくるところが「え！！！」と一瞬、言葉を失わせるっていうか……精神の病もそういう部分は似ているのかもしれないけど、今回、それほど上手に描けている感じはしなかった。支離滅裂だから怖いんじゃなくて、こっちには理解できないけど、むこうなりの理屈が通っているところが怖いのであってさ……。。。
「アンブレイカブル」で、こどもがお父さんに「スーパーヒーローなら撃っても大丈夫だよね？」と銃口を向けるところとか怖すぎた……。なんで撃って確かめようとするの？(笑)　その発想ナイわーっていう(笑)　「サイン」とかもさ、宇宙人、一番笑っちゃうヤツで来るっていう、それが逆に意外と怖いっていう、あの感じ？　シャマランの作品を見ていると、いままであたりまえだと思っていたことがちょっとゆらぐっていうか、常識の隙をつかれるのが快感なので、うん、もうちょっとハジけてくれてもいいのよ？　と長年のシャマラーの私なんかは思います。
ま、でも、「エアベンダー」よりは全然よかった。この路線で！　一周回って原点にもどった感じでそういう意味では好きでした。
サム・ライミの「スペル」とか思いおこさせた(笑)
しかし、あれだね。比べてしまうと、同じカルト枠でもサム・ライミは玄人っぽいというか、華があるよね。「スパイダーマン」を成功させただけのことはあって、一枚上手感あります。最近、なにしてるのかな……。