腐印注意

腐印の 映画 アニメ BL 雑記。おもにネタバレありです。

「宮部みゆき」

「ソロモンの偽証」で興味を持ったので、「火車」と「レベル7」を読んでみたんですが、うーーーん………………。
なんだろうなぁ………………。
ちょっとイメージしていたのと違うなぁ、という気が、勝手にしています(笑) 私が名前を知ったのは、たぶん、「模倣犯」のときだったと思うんですよ。あの、映画だと、中居くんが「伊東 四朗のパノラマ島奇譚」ばりのオチを見せる「ぇえぇぇえええ?」っていう内容のアレなんですが、うん、そういやあれもものすごくぶ厚いハードカバーで、家にあったのに読む気になれなかったんだよな……と今更思い出します。なんかね、読んだ3作品すべてに共通するんだが、書き飛ばすタイプの人なのかな、というのは思いました。なんかこう、無駄な描写が多いっていうか、話の途中で急に横道に逸れて、その解説を延々つづけて、「……それって大筋に関係あるのかな?」と疑問に思いながら最後まで読むと、「うん、関係なかったな」っていう(笑) 思いついたから、書いちゃった、という感じに見えるので、なんかこう、足し算の人というか、あまり推敲とかしないのかな、と思いました。だから厚くなっちゃうのか(笑) これがライトノベルならあまり気にしないんだけど、けっこう、作りが重厚な感じで押し出してくるので、やっぱり肩すかしな感じが否めない。あとこう、タイトルがさ(笑) 中味と合ってる??? というのも、毎回思うんだよな……キャッチーという意味では上手いんだろうけど、読むとなんかがっかりしちゃうんですよ。映画でも、小説でもそうだと思うんですけど、タイトルって最初に提示される謎じゃないですか。それを見て、こっちは手にとって、読んでいる間ずっと、そのタイトルの謎がいつ明かされるんだろう、と思っているところがあるわけですよ。それがさ、とってつけたようなものだと、こう、非常にがっかりするというか、ひどい時には、騙されたような気さえしてしまうんですけれども、そういう意味でいうと、「レベル7」なんてほんと、「……題名に偽りありじゃね?」となんかびっくりしちゃったんだよな(笑)
いやもちろん、これは私の勝手な思い込みなので「ぜんぜん“レベル7”で問題ないよ!」という人もいるだろうというのは承知のうえで、でもさぁああいう名前だと、SF的な、ゲーム的な、近未来っぽいものを想像しちゃったんですスイマセン、途中くらいまでそのイメージをひきずっていて、でも、なんのことはない、ふつうのミステリーでした。いや、ふつうのミステリーでもいいんですけど、でもさ、“レベル7”の理由が出てきたときには「……ぇええー」とは、思った……。つか、第二次世界大戦の収容所でもあるまいし、患者の腕に入れ墨って、ちょっとリアリティないよな、となりましたし、題名にまでするならせめて“レベル7”に至った人間を、はじめの段階でひとりくらい出しておいてもよかったよね、とは思う。なんていうか、“つくられた感”が凄いんだよな(笑) そして、大事なことを、キャラクターがバリバリ口で説明しちゃうところも、わたし苦手なんだよなぁ……。ミステリーなんだから、といわれればそれまでなんだけど、もっとこう、不可解な部分を残しておいてもいいんじゃないの、と思います。オチから逆算して設定やキャラクターを作っていくのかな、と思うと、すべてが陳腐に思えてくるし。書いている本人でさえ、よくわかっていないようなものが滲んでいるほうが、小説って面白いような気がするんだけど……。ヒロインの目が見えなくなる意味もよくわからなかったし、そもそも、あの女性がいる意味はあったのかとさえ思う。もっというと、あの殺人に意味はあったの? っていうね(笑)
ミステリーは事件ありきだろ、と言われると、まあ、私がミステリーに向いていない、というのもあるんですが。いやもう、宮部みゆきはしばらくいいや、となりました。や、読んでいる間は、そこそこ面白いんですよ。キャラクターにも魅力があるんだけど、でも、読み終わった後に、内容が思い出せなくなっちゃうんだよな(笑) 「模倣犯」くらいは読んでみてもいいのかもしれないけど……そのうちな、という感じです。