腐印注意

腐印の 映画 アニメ BL 雑記。おもにネタバレありです。

新世界より 小説

も読んだ!
私は「悪の教典」よりこっちのほうが好みかも……SFとホラーとサスペンスが混ざったみたいな内容で、なるほど、アニメになったのわかるなーと。アニメ見てから原作読んだのですが、結果としてはこの順番は正解だったかもです。すでに映像を見ているので、あまりこまかく小説の描写を追わなくても、大体、内容が把握できたので。
そうですね、やっぱり「悪の教典」と同じで、これも“大量の人を殺す人の話”ではありました。ただ、現代が舞台の「悪の教典」より、1000年後の日本が舞台の「新世界より」のほうが、発想は豊かで読んでいて楽しかった。人間が超能力を使えるようになった世界の話を、これほど細かく陰惨に描写したって、いままでないんじゃないの? と驚きました。「地球へ…」の逆バージョンて感じなんだけど、こう、いままでオタクっぽくアニメやマンガに影響されて持っていた超能力というものに対するふわっとした憧れとかロマンとか、消し飛ぶよ(笑)超能力! 厄介! そしてやはりそれを使うのは人間! 残酷! って感じなんだが、でもね、いくらなんでも、あそこまで行ったら、もはや生物として成り立たないんじゃ? という気もしましたよ。バランス悪すぎる。すげー超能力持った奴らの性格がみんなサイラーだったら、そりゃ悪夢ですよ。人類、青息吐息。オウンゴールがすぎる。
とにかく、貴志さんの本は、大体、物事は悪い方へ悪い方へと転がっていくものなんだ、という信念に貫かれているようです。そして、笑いがない。どういうひとなのー。ものすごい心配症なのー?

原作だと、はじめの時点で誰が生き残るのかはわかっちゃってるんだな、というのが、すこし意外でした。アニメみていたとき、覚って、ホラー映画とかだといかにも途中で殺されるキャラって気がしていたので、彼が生き残ったときいささかおどろいたんだが。でもな……「悪の教典」を見ていた時にも思ったんだけど、貴志さんの本は、生き残った人が勝ち、とも思えないんだよねーなんか。先に死んでしまった人の方が正解だったんじゃ、という気がするときある。。。とくに、「悪の教典」のオチなんてさ、あれ、大体「悪の教典2」とかできると、生き残った人がまず冒頭で殺されて冷蔵庫に首がはいっちゃったりするんすよね?っていう(笑)そんな展開が頭をよぎる。

とにかく、萌えの宝庫みたいな設定の数々な「新世界より」なんだが。うん、まっっっっったく萌えれません。超人ロックなみの能力もつイケメンがでてきたり、学園生活で同性の濡れ場とかもあるのに、どうにもこうにもまっっっっったく萌えれなくて、腐女としては情けない限りでございます。いやもうほんと、そんな気になれなかった。萌えって、世界観とか設定とかじゃねーんだな、と。じゃあ、なんなの? といわれてもアレですけど、そうねー、なにかしら、このお話って、カメラでいうとものすごいヒキ、俯瞰で全体を見ている感じなので、でてくるキャラクターに深く感情移入できないんだよな、という。「悪の教典」もそうなんですよね。ああいう話だと普通ならもうちょっと、殺している側なり、殺されていく側なりに共感しそうなものなんだが、全員から等しく離れてしまっているので、「この話の行く末はどのように?」みたいな乾いた感想しかもてなかったなー。
もしかして、それが持ち味なのか?
もう何冊か読んでみないとわかりませんが、そうですね……ちょっと休んでから、またなんか読んでみようと思います。

てかさ、「新世界より」をみたあとに「みんなエスパーだよ!」を見ちゃうと、もーのすごく微笑ましい気持ちになってしまいますよ、うん。ばかばかしいんだが、超能力なんて、ばかばかしいことに使っておけばいいんじゃん? という気になった、なんか(笑)