腐印注意

腐印の 映画 アニメ BL 雑記。おもにネタバレありです。

「コララインとボタンの魔女」

期限がきてしまっているので、あわてて三本も消化しないといけない。その献立が「イグジット・スルー・ザ・ギフト・ショップ」「悪夢探偵」「コララインとボタンの魔女」という、けっこうガッツリ系で胸やけしないか心配! なんですが、とりあえず前菜に「コララインとボタンの魔女」。
これねー、ずっと見たかったんですけど、なんかいつも借りられていたのと、予告を見た感じでは、そこそこおもしろいか、意外とツマラナイか、どっちかだなーと、なんかすこーし腰が重かったんですが、いやいや、ふつーに。ふつーに、いい映画でした。
主人公の造詣がなんかかわいくねーなーと思っていたんだけど、はじまってみれば、動きが軽快なので、だんだんかわいくなってきた。そして、やはり人形アニメのあの、すこしぎこちない感じと美麗なCG背景のいささかちぐはぐなようすが、不気味さとか怖さを常に感じさせてくれるので、ホラーっぽいファンタジーにはもう、もってこいっていう、ね。
このビジュアルで怖いことが起こらないワケがない! という、私的にはずーっとワクワク。ワクワクしっぱなしです。
なんかねー、「猫目小僧」を思い出しちゃった。あの紙芝居アニメ、もう、なにもなくても、フツーの場面でも怖いんでやんの。「ゲゲゲの鬼太郎」もそうです。私が見たのは第二期、初カラーのやつだと思いますが、まー、怖かったね、OPの歌からして。でも、わくわくしちゃうの。きゃーきゃーいいながら見ちゃうの。
それにくらべれば、「ボタンの魔女」はもうちょっと上品で童話っぽい感じですが、でも、月の光る闇の魔女の世界は、美しさと恐ろしさが混在していて、いやー、素敵っス。なにしろこどもが主人公なので、大体物語は半径200メートル以内くらいで収まっちゃってるんだけど、でも、物陰とか、古い井戸とか、ふさがれたドアの奥とかのささやかな場所に、見たこともないような世界が! ドキドキと冒険が! 待っているんじゃないかしら、という、あの胸がおどる感じはわかります。わかるなー……。
しかし、私はもうすでにオトナなので、つい、コララインというよりはオトナ目線で見てしまうんだな。親の苦労が透けてみえてしまうので、家族に不満をくすぶらせているコララインに対して、「こどもがナマイキなー、おまえなど、ちょっとイタい目にあうがいいサ!」とイジワルな気持ちにもなってしまうんだが、うん、コララインはナマイキだけあってすごかった。最後、がっつり魔女を倒して両親を助け出してた(笑)
そうね「千と千尋」とか思いだします。あれも、魔女にこどもが捕まる話だったが、ボタンの魔女は、湯婆よりも、切ない感じ。戸田恵子の色っぽい声で「欲しいものはなんでもあげるから、ずっといっしょにいましょう」とかゆわれると、うん、ちょっとグラッとキますよ。実際、それで命を吸い取られたこどもが3人も幽閉されていたが(笑)
私的には、コララインのお母さんを真似ていた時より、魔女の本性があらわれたときの姿の方がかっこよく見えました。恐ろしげな姿なんだけど、あのヨーロッパ的な魔女の姿って、美しいよなー。FF8のときも思ったけど、魔女はみんな美しい(宇宙のアイツをのぞいて_| ̄|○)。そして言ってはなんですけど、大抵のお母さんは、コララインの本当のお母さんと、魔女と、両面をそなえているわけで、童話のセオリーとはいえさ、魔女は、退治して、おわり、ってされると、こーオトナ的にはね、なんか寂しい感じがするのね……。
しかしまあーとにかく、全編美しい映像でした。とくに、最後、魔女の世界が崩壊していくところなんて、本当にキレイでうっとりします。これ3Dだったみたいですねー。これほどキレイなら、映画館で観てもよかったなー。「9<ナイン> 〜9番目の奇妙な人形〜」も見た目は似たような感じで、これは私劇場で観ているんですけど、コララインのほうが、見た目もストーリーも楽しかった。やっぱ、不気味さ? アクション的な怖さより、日常のなかのうっすらとしたキミの悪さとかのほうが、私は好みです。
ボタンが目の人形って、言われてみればたしかにコワい。
梅図かずおに似たようなマンガがあったような気がするんだけど、やはり東西に限らず、人形ってちょっと不気味な存在なんですね。

この作品、こどものときに見たらトラウマ作品かもしれないが、オトナになってしまうと、美しさの方が際立ってます。とにかく、ボタンの魔女万歳。フィギュアがあったら欲しいくらいだが……戸田恵子の声あっての魅力! という気もするんだな(笑)